おうち療育アドバイザー
浜田悦子です。
今日は、
グレーゾーンのお子さまの
こんなお悩みにお答えします。
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4歳と2歳の子どもがいます。
上の子の癇癪が酷く、
2歳の弟に叩いたり蹴ったりします。
代替えをやったら一時的には効きますが
怒った時の衝動が酷くなっています。
幼稚園は行きたくないと言いますが
行けば楽しそうにしています。
何事にも一生懸命取り組み、
先生からも評価をされています。
癇癪も幼稚園では出ないそうです。
対処法を教えてください。
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今日は、
- 癇癪
- 園生活
この二つの視点から見ていきたいと思います。
まずは、癇癪について。
酷くなっているようだったので
対処法が合っていないのかな?と思い
伺ってみたところ・・・
【 現在の対処法 】
- 別の部屋に連れて行く
- 抱きしめる
- 共感
と、教えていただきました。
まず最初に感じたのは、
別の部屋に連れて行くということが
お子さんにとって罰になっていないか?
と、いう点です。
癇癪を起こした子どもは
自分は被害者だと思っているので
別の部屋 = お仕置き部屋
になっていると、
これはオススメできません。
ですが、話を伺うと
お子さんにとっては
落ち着ける場所だそうなので
視点を変えました。
次に気になったのが、共感です。
実際に、
どのような共感の言葉をかけているのか
お聞きしたところ、
- 良くなかったところ(改善点)
- ママの気持ち(悲しかったよ)
を、伝えているとのことでした。
もしかしたら、
ここかな?と思いました。
ママは共感しているつもりでも、
お子さんにとっては
共感になっていないのかもしれません
共感って、カンタンなようで難しいんです。
人によって、解釈に仕方も違うし
共感について教えてくれるところも
あまりないかもしれません。
わたしが言う共感とは、
カンタンに言うと
子どもの気持ちの代弁
だと、考えてください。
イヤなことがあって
癇癪になっている訳ですから、
子どもがイヤだと感じた気持ちを
代弁していくのです。
例え、弟を叩いたとしても。です。
弟を叩いた原因は
弟がおもちゃを取った(触った)
程度かもしれません。
それでも、
本人にしかわからない
許せないことがあったのです。
そして、
癇癪を起こしている場合は無反応。
落ち着いたら、共感です。
「 弟に、おもちゃを触られてイヤだったね 」
「 弟に、おもちゃを取られてイヤだったね 」
このように。
つい、
「 弟を叩いてはいけません 」
「 そんなことしたら、ママは悲しいよ 」
と、言いたくなっちゃいますよね。
自動的に、
口から出てきてしまうかもしれません。
でも、
癇癪が酷くなっているということでしたので
まずは、上のお子さんへの共感が効果的です。
叩いたお子さんに共感をすることは
その行動を肯定しているのではありません。
共感したら、
その行動をもっと強化してしまうのではないか?
と思うかもしれません。
でも、逆なのです。
- 共感された!
- 自分の気持ちをわかってもらえた!
ことで、お子さんははじめて
自分以外の他人の気持ちを考えられるようになります。
もちろん、
人を叩くことは適切な行動ではないので
教えていくことは大切です。
でも、今ではありません。
手を出してしまうお子さんの
気持ちが安定してからでも、
遅くありません。
むしろ、そうしないと
いつまでたっても
癇癪が長引いてしまう可能性があります。
癇癪が落ち着くまでは
無反応(共感を忘れない)
をしてみてくださいね。
それから、
二つ目の視点、園生活です。
ご質問内容をもう一度
思い出してみましょう。
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幼稚園は行きたくないと言いますが
行けば楽しそうにしています。
何事にも一生懸命取り組み、
先生からも評価をされています。
癇癪も幼稚園では出ないそうです。
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これは、
かなり幼稚園で頑張っていると
考えていいと思います。
幼稚園で頑張っている分、
おうちで癇癪となって出てしまうのですね。
じゃあ、こんな時どうすればいいの?
ということですが、
これも、いますぐできることは
お子さんへの共感です。
毎日、幼稚園を頑張っているお子さんへ
ねぎらいの言葉をかけていくのです。
「 今日も、幼稚園頑張ったね! 」
「 疲れたね~。お疲れさま! 」
こんな風に。
わたしたちは、
子どもは、幼稚園(学校)に行くのは当然である。
と考えがちですが、
実は刺激に敏感な子どもにとっては
当たり前のことではありません。
うちのむすこも刺激に敏感で、
登園しぶりや登園拒否がありました。
給食も食べない(食べられない)
園庭でも遊ばない(遊べない)
なんてことは、日常茶飯事でした。
むすこのように、
拒否ができるお子さんもいれば、
何事にも一生懸命頑張るお子さんもいます。
このお子さんは
先生からも評価をされるほどなので、
きっと頑張り屋さんなのですね^^
お子さんは
毎日頑張っているのですが、
大人の目には
“ 必死に頑張っている ”
ではなくて、
“ 頑張ればできる ”
と、うつってしまうことがあります。
ですので、
“ その頑張り、わかっているよ~ ”
ってことを
言葉にして伝えてあげてほしいのです。
そうすることで、お子さんは
( ママはぼくが頑張っていることをわかってくれている )
と感じ、安心感につながっていきます。
大人でもそうですよね。
頑張ったことや、大変だけどやりとげたことに対して
“ 頑張ったね! ”と、
一番近くで理解してくれている人に言われたら
うれしく感じますし、次の原動力にもなりますよね。
それから、まだ4歳ですので
まだまだ手伝ってあげていい年齢だと思います。
身の回りのこと、着替えなどの身辺自立。
もしかしたら、
小学校に向けても
色々とできるようにしておきたいと思う気持ちが
あるかもしれません。
でも、
幼稚園で頑張っているという
事実もありますので、
お子さんを観察してみて
何か苦手なことがありそうな場合は、
手伝ってあげたり
スモールステップにしてあげることを
オススメします。
うちのむすこは、今度小学4年生ですが
時間割も、
鉛筆を削ることも
給食袋の用意も
わたしがやっています。
6年生までにできるようになればいい、と思っています。
むすこが唯一準備する明日の用意も
スムーズにできるように
ランドセルは開けたままです(笑)
それでも、
1年生よりも2年生
2年生よりも3年生の成長には
目を見張るものがあります。
発達に凸凹があると、
つい、もっともっとできるように!と
思いがちですよね。
でも、
何をやらせるよりも、何をやらせないか。
これも、子どもの成長を左右します。
参考になさってください。