すぐに怒ってしまい、被害妄想的なところある(8歳 男の子)
■お悩み
些細なことで怒ってしまい、怒ったときに大声を出したり物を投げたりしてしまう。
物が無くなったときや忘れ物をしたときに『だれかが隠した』と人のせいにする。(被害妄想的)
例)
①学校の授業のグループのリーダーになりたくてなれなかったとき
②テストの点数が悪かったとき
③鉛筆やノート、宿題などが見当たらなかったとき
■現在の対処法
①怒りまくったので、グループの中でリーダーは決まっていたの譲ってもらった
②100点じゃないけど、良い?と確認してから渡す
③どこ辺りを探してみてとアドバイスする
怒るに関しては、こちらの記事を参考になさってください。
今日は、被害妄想についてのアドバイスです。
対処法を、いくつかに分けてご説明します。
① 物がなくならない(環境)設定をする
置く場所を決めたり、入れる場所を工夫するということです。
発達障害の子どもたちは、【 探す 】ことが、とてもとても苦手です。
探すことは、どういうことなのか? を知らないこともあります。
探すって、わたしたちにとってはとても自然で、当たり前のことですよね。
ですが、発達障害の子どもたちは、【 教えてもらえないと、わからない 】ということが常識なのです。
例えば、積み上げられた教科書の中から、真ん中にあるこくごの教科書を見つけ出せなかったり、テーブルの隅においてある自分の筆箱に気付かなかったりします。
これらを解決するためには、まず本人にあった環境を整えてあげることが大切です。
・置くものと 置くべき場所をセットし、写真にとってプリントアウトし、その上に置くように促す(マッチング)
・テプラとレターラックのようなものを使用し、一目でわかる工夫をする など
② 難しい時は、手伝ってあげましょう
環境を整えても 難しい場合は、手伝ってあげましょう。
これは、甘えではありません。
特性なのです。
よって、見つかるまで本人に頑張らせることは、子どもの自己肯定感を下げる事になってしまいます。
人のせいにしてしまってからでは、クセになってしまいます。
人のせいにする前に、本人がみつけられる工夫と負担を軽減することをオススメします。
③ ヘルプをだせるように教える(ヘルプサイン)
お悩みを聞いていて、もしかしたら一緒に探してほしいとお願いすることが苦手なのかな?と感じました。
無くなったら、誰かにお願いして一緒探してもらう
これは、モノがなくなった時に関わらず、生きていく中でとても大切なことです。
残念ながら、この概念も凸凹っ子には難しいスキルであり、彼らの常識ではありません。
さらに、
『 困ったことがあったら、誰かに一緒に探してっていってごらん 』と言っても、抽象的すぎて、なかなかうまくいかないでしょう。
その場、そのパターンで、個人を特定して指示することが、うまくいく秘訣です。
例えば・・・
『 鉛筆がなくなったら、〇〇先生(担任)に、一緒に探してくださいって、言ってみよう 』
『 ノートがなくなったら、隣の席の〇〇さんにお願いして、一緒に探してもらおう 』
こんな感じです。
理由はいりません。
指示は、長すぎても伝わらないのです。
④ 事後の対処は 無反応
また、慣れるまではどうしても今まで通り、人のせいにしてしまうかもしれません。
そんな時は、無反応を通してください。
無反応とは、子どもの行動に反応しないこと(人のせいにする言葉は無視します)
ですが、それが収まってきたら、共感(反応)し、一緒に探したり、手伝ってあげましょう。
好ましくない言動に反応してしまうと、その周りの反応を受けて、もっと繰り返されることになります。
ご参考になさってください。