発達障害・グレーゾーン
子どもの困った行動をおうちで解決!
おうち療育アドバイザー浜田悦子です。
こんにちは。
今日はこちらのお悩みにお答えします。
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◆ 年齢:9歳(小3)
◆ 困っている行動や悩み:
動物の鳴き声の真似(ライオン、サル)などの奇声を出す
路上
◆ 困っている悩みや行動に対しての現在の対処法:
要求を言葉で伝えるように注意。
目を見てしてはいけないと話す。
(間違えだらけの発達障害という
◆ 現在の対応についてのお子さんの様子・反応:
回数が減りました
お悩みありがとうございます!
1月下旬頃から現在の対処法をしてきて、
回数が減ってきているとのこと。
子どもの問題行動って
劇的に変化することもありますが、
時間がかかることも当然あります。
回数が減ってきているなら、
このまま継続でもいいのでは・・・?
と思いつつ、
それでは回答にならないので、わたしなりの考えと対処法を書いてみますね。
本人が機嫌が良い時に行動の理由を聞く
まずは、
どんな時にこのような行動がでるのか?
観察することが大切です。
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2学期にこの様な事が多いように思います。
犬や、中年女性(口うるさそうな感じの人)…
足で蹴るような事
(遠くなので、
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こちらの文章より・・・
- 2学期
- 犬や中年女性
がわかるのですが、
” どんな時にこのような行動がでるのか? ”
をもう少し詳しく観察する必要があるかもしれません。
観察の中で一番大切なのは、
その問題行動が起こった直前に何があったか?です。
もちろん、
目に見えないことも多いのですが、意識してみてくださいね。
また、お子さんが話せる場合は
お子さんが落ち着いている時や機嫌がいい時に、
「 犬の鳴き声する時って、どんな気持ち? 」
「 足で蹴りたくなる時って、どんな時? 」
と、聞いていくことも試してほしいところ。
もちろん、本当の理由を
すぐに話せるとは限らないのですが、何かヒントが隠れているかもしれません。
人も声も視線も刺激(共感)
わたしは、人も声も視線も ” 刺激 ” だと考えています。
このお子さんの場合、
犬や中年女性が大きな刺激になっています。
苦手な(と仮定します)犬や女性が
自分に注目しているしていると思っていて、
その注目を拒絶し、自分を守るために
そのような行動に出てしまう。
(鳴き声を真似したり足で蹴ろうとする)
このような場合、
お子さんの苦手な気持ちには共感して、行動には無反応をしていきます。
この共感の時にかける言葉に、大切になってくるのが
上に書いた・・・
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また、お子さんが話せる場合は
お子さんが落ち着いている時や
機嫌がいい時に、
「 犬を見るとどんな気持ち? 」
「 犬の鳴き声する時って、どんな気持ち? 」
「 足で蹴りたくなる時って、どんな時? 」
などなど・・・
聞いていくことも試してほしいところ。
ーーーーーーー
ここの部分、なんですね。
実際に、お子さんが
- 怖い思いをしたのかもしれないし
- 何かイヤな思いをしたのかもしれません。
実際に体験していなくても、
テレビや本を見て、印象的な映像が
お子さんの中にあるのかもしれません。
どちらにしても、
- この根本的な原因を探し
- お子さんの気持ちに寄り添っていかないと
その行動が減っても、
お子さんの気持ちがそのままになってしまいます。
周りが困った行動だと思っていても
子どもにとっては、自分を守る行動であることがあります。
そこを丁寧に見てあげて
子どもの気持ちも、問題行動も、
改善していく必要があると
わたしは感じています。
また、
お子さんはネガティブな感情を理解していて
言葉に出すことができるか?同時に観察していきましょう。
発達凸凹の子どもたちは、
ネガティブな感情を感じることが苦手です。
ネガティブな感情:
怖い、悲しい、悔しい・・・など
※ 悪い感情ではありません
ですので、
犬を怖いと思っていても
その「怖い」が言えずに
自分の感情にフタをして
攻撃として行動に出ているのかもしれません。
※ ネガティブな感情の理解ができていないお子さんは
勝ちにこだわったり、間違うと癇癪を起こしてしまうお子さんに多いです。
子どもに共感することは、
子どもの中にあるネガティブな感情に気付き、名前を付けていくこと。
その感情は、怖いっていう感情だよ。
感じていいんだよ。
感じることで、癒されていくんだよ。
と、感情と名前をマッチングさせていく作業になります。
人も声も視線も刺激(対処法)
ここからは対処法について、解説していきます。
子どもの気持ちに共感しつつ、
でも、行動は改善していきたいですね。
一番効果がある対処法は、無反応です。
(無視ではありませんよ~しっかり共感してくださいね!)
でも、お悩みにもある通り
路上
わたしも、
どんなに効果的な対処法だと分かっていても
同じ立場だったら難しいと思います。
無反応を外で実践する時は、
自分の心にも時間にも余裕がないと難しいですよね。
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無反応以外の効果的な対処法ですが、
カギはやはりお子さんが握っています。
上に書いたように、
丁寧にお子さんの話を聞き
ネガティブな感情に共感しながら、一緒に対処法を考えていきます。
対処法は
いくつか選択肢を持っておくことが、ママの安心にもつながります。
例えば・・・
- 無反応は自宅でやる
- 犬を見たら、背中を向けてママとしりとりをする
- 怖い女性がいたら、ママの背中に隠れて30数える
- 場面を切り変える(視界に入らないようにする)
- アタマで考えなくてもできることを提案する
選択肢って、ママと子どものお守りになります。
それから、お子さん自身も自分の行動に対して
” こんな風にすれば、いいんだ! ”
” これを持っていれば落ち着くんだ! ”
と、分かると生き辛さが少なくなったり、
今後困った時にも、自分で切り替えができる機会が増えると思うんです。
ちょっと話がズレますが、
うちの子は年長までパニックがとても多い子でした。
感覚過敏が多い子だったので、
小さな事でパニックになり
クラスを脱走するという日々でしたが、
そのうち、パニックになりそうだと分かったら
” クラスを出て水を飲みに行く ”
という行動に落ち着きました。
(もちろん、丁寧に話を聞き、共感し、
原因を理解し、先生にもご理解いただきました)
パニックが減ったことで
むすこ自身がラクになり、自信にもなったのだと思います。
一年生になった時も
まだまだパニックになり、固まって泣く日がありましたが
保育園からの延長で、
” パニックになりそうな時はトイレに行かせてもらう ”
という行動に落ち着きました。
でも、その行動も2年生くらいですっかり落ち着きました。
話しを戻します。
このお子さんは、
犬や中年女性を見ると、少しパニックになっているのかもしれません。
反射的に攻撃してしまうのは、
他にどうしたらいいかわからなくて
自分の感情もわからなくて困っている状態・・・
このように、わたしは考えています。
子どもの困った行動には、原因がある。
参考になることがあれば、幸いです。