■年齢
年少(女児)
■お悩み
発語が少なく、最近やっと単語がポツポツ出てきました。
療育にも通っており、発語を促す練習をしていますが、なかなかうまくいきません。
娘も、言わされている感に対してなのか?拒否したり、癇癪を起こしたりしてしまいます。
■現在の対処法
間違えて言った時は、視覚的に単語を提示して言い直させています。
発語を練習させると、癇癪につながることもあり、そうなった時は無反応をしています。
お悩み、ありがとうございます。
年少さんですと、3歳~4歳ですね。
集団に入ると、どうしても発語が遅いことが気になってしまいますよね。
療育にも通われているとのことですし、現在の対処法には無反応や視覚的に提示という単語がでています。
一見、専門的に関わっているように見えますが、ちょっと気になるのは 子どもの気持ち。
今日は、違った視点から対処法を解説します。
発語の練習をやめる
お悩みにも書かれている通り、娘さんは発語の練習を拒否していると考えられます。
こんな時にやるべきことは、無反応でも視覚的に提示することでもなく、発語の練習をストップすることです。
今まで信じてやってきたことや、療育の先生を信じてやってきたことをやめることは、色々な勇気が必要ですよね。
親として躊躇するのは、当然のことだと思います。
ですが、拒否をしたり、癇癪を起こしているという点からみると、娘さんには相当のストレスがかかっています。
発語が遅かったり、単語を正確に言えない時には、色々な理由が隠れています。
例えば、耳(聴覚)の問題
年齢が低いと、聴覚検査自体が難しいこともあるでしょう。
ですが、その可能性が隠れているということも視野にいれ、療育の先生や親が、どんなに正確なことばを発していても、
ちゃんと子どもに届いているか?
を確認しましょう。
また、子どもは正しいことばを言っているつもりということもあります。
本人にとって、発音しにくい音だと、聞いているこちらは、聞き取れなかったと判断していまいます。
ですが、もし本人が聞こえた通りに 発音しているとしたら・・・
子どもにとって、何が正解なのか?わからなくなってしまいますね。
これが続くと、二次障害につながります。
親としては、子どもの声を聞きたい! 周りとコミュニケーションを取れるようにしてあげたい! と誰もが思うはず。
ですが、親の期待と、子どもができるようになりない!という想いに大きなズレが生じた場合、それは支援ではなくなってしまうのです。
この時期にできる発語の練習
特に、発達障害の子どもたちは、定型発達と言われる子どもよりも、半分~3分の1くらいの発達だといわれています。
今の療育や課題が、目の前の子どもにとって本当に意味のある療育なのか?を見直すことも必要です。
発語の練習をするな。と言っている訳ではありません。
ですが、3~4歳というこの時期に、親子で楽しくできることはたくさんあります。
子どもが笑う環境を作る
これは、要するに自然に声を出す環境を作るということです。
こちょこちょでもいいですし、高い高いでもいいですね。
子どもが『 あはは 』と笑ったら、『 あはは 』『 たのしいね 』『 くすぐったいね 』などと、子どもの気持ちを代弁することばをかけていきます。
もっとやってほしいという素振りがみえたら、『 もう一回 』という声をかけながら、指で1を作り、代わりに言ってあげながら 繰り返して遊んでいきましょう。
お気づきかと思いますが、これらはすでに強化子になっているのです。
正しく言えるまで練習。そして、正しく言えたから、強化。と思いがちですが、正しく言えない子どもはダメなのでしょうか?
何度も練習させることは、今のままではダメだというメッセージを与えていることになってしまいます。
強化とは、子どものやる気を引き出すもの。
親の期待を乗せるものでは、ないのですね。
かくいうわたしも、昔はたくさん失敗しました。
一度低下した 子どもの自己肯定感を育てることは、容易ではありません。
だけど、立て直すことはできるのです。
療育を見直し、子どもの強化子を探すことからはじめてみてください。
子どもの強化子(子どもが望んでいる楽しいこと)を探すことは、意外と難しいのです。
子どもをしっかり観察しないと見えません。
ですが、子どもが興味のないカードを提示して療育をするよりも、ぐっと成長するのです。
それは、発語に限らず、子どものこころの土台にもつながるもの。
参考になさってください。